【徴兵制の真実】日本で復活するのか?知られざる裏側に迫る!

コラム
<span class="bold">マイマイ</span>
マイマイ

こんにちは、合理主義者のマイマイです。

昨今、ウクライナでの戦争や台湾海峡をめぐる緊張の高まりを受け、日本では安全保障への関心が急速に高まっています。

そのような状況で、かつて日本にも存在した「徴兵制」をめぐる議論が、再び浮上しつつあります。参政党の発信をきっかけに、その必要性を問う声も少なくありません。

戦後80年。日本人は長く、「軍事」という言葉から距離を置いてきました。
その結果、国を守るという話題さえ、どこかタブー視される状況が続いています。
そのような中で、戦前の日本のような「徴兵制」を想起させる議論はより忌避感の強いものかもしれません。

しかし、急速に変化する国際情勢の中で、これまで避けてきた課題がいま、私たちの前に現実の問題として立ちはだかっているのではないでしょうか。
「徴兵制」と「核」。長らく触れられてこなかったこれらのテーマについて、事実と専門家の見解をもとに、私自身の考えを書いていこうと思います。

今回は「徴兵制」について、詳しく分析していきます。

  • 徴兵制って何?
  • メリットデメリットは?
  • 本当に復活するの?

このような疑問に応えられると思うのでぜひ最後までご覧ください。

徴兵制って?細かい概要

徴兵制の定義と本質

徴兵制(ちょうへいせい)とは、国家が一定年齢の国民に兵役の義務を課し、強制的に軍隊に入隊させる制度です。これは、個人の自由な選択に基づく志願制(志願兵制/募兵)と対比されます。

徴兵制の本質は、国民に「兵役」という役務の提供を義務として強制的に負わせる国民皆兵制度にあります。
この制度では、国民が武器を取って国の防衛に加わることは義務であるという思想が根拠となっており、多くの場合、採用国では憲法に「国防の義務」が規定されています。
徴兵された場合、兵役を拒否すると罰せられます。

歴史的背景と展開

現代まで続く近代的徴兵制の原点は、1789年のフランス革命に遡ります。
フランス革命以前は、国家は王など一部支配者のものという考え方が一般的でしたが、革命によって「国家は国民のもの(国民国家)」という概念が生まれました。

これにより、戦争への参加義務は、主権者である国民に課せられるべきだと考えられるようになりました。
この思想に基づき、「国民皆兵」の概念が生まれ、フランスのみならずヨーロッパ大陸諸国に広く受け入れられ、徴兵制が導入されました。
その結果、軍隊は、傭兵や志願兵で構成されていたそれまでの軍隊から、一般国民が軍事訓練を受ける大規模な「大衆軍隊」へと変容しました。

18世紀後半頃からの産業革命により、兵器の大量生産が可能になり、近代化が進むと、戦闘における死傷者数が急増しました。
特に二度の世界大戦では、経済力や化学力などあらゆるリソースが投入される国家総力戦となり、戦争が長期化し、数千万人の死傷者を出すに至りました。

これに対処するため、志願制の職業軍人だけでは兵力不足を賄えなくなり、国家総力戦を戦うには徴兵制が不可欠となりました。

<span class="bold">カムナ君</span>
カムナ君

血税の由来は、「血をもって税とする」という徴兵なんだぞ!

現代における徴兵制

冷戦の終結以降、多くの国で徴兵制を廃止または縮小する動きが加速しました。
その背景には、現代戦の変化や価値観の変化に由来する4つのデメリットがあったからです。
詳しい話は次章【徴兵制は「安くて強い軍隊」の切り札?徴兵制のデメリット】にて解説します。

多くの国で徴兵制が衰退しつつも、
国家として認められている197カ国のうち、軍隊を保有している170カ国中、約3分の1(65カ国)が徴兵制を採用しています。

意外に多いと思いませんか?
以前、某SNSにてこういう投稿を目にしました。

現代で徴兵制を採用しているところなんて韓国くらいでしょ

流石にここまで極端ではなくても、数か国くらいしか徴兵制を採用していないのではないかと思っている日本人は少なくないのではないかと思います。

では、実際にこれらの徴兵制を採用する国家はどのような理由で採用しているのでしょうか。

徴兵制を採用する理由は国によって異なりますが、ざっくり言えば、以下の要素が多いほど徴兵制を選択しなければならなくなります。

  • 仮想敵国と陸続きである
    陸上では、侵攻や補給線(交通路)の維持が比較的容易であるため、ロシアと国境を接するNATO加盟国のように、大兵力に対抗するために数を揃える必要が生じます。
    陸上戦力は質よりも量に左右される側面が強いためです。
  • 国力や人口で劣る
    想定される脅威(仮想敵)に対して、国力や人口で劣っている場合。
  • 海上における侵攻阻止が困難
    海を隔てていても、海上戦力で敵の進行を阻止できる見込みが低い場合、主戦場が本土(陸上)となる可能性が高く、陸上戦力確保のために徴兵制が必要となります

徴兵制は「安くて強い軍隊」の切り札?徴兵制のデメリット

徴兵制に対して、「安上がりで大規模な軍隊を維持できる」「人手不足を解消する単純な解決策だ」といったイメージを持っている方も少なくはないでしょう。

しかし、そのイメージは現代の安全保障環境や軍事技術の現実とは大きく乖離しているかもしれません。
専門家の分析によれば、現代における徴兵制は、私たちが思う以上に複雑で、多くの「不都合な真実」を抱えています。

徴兵制のデメリットや誤解を大きく4つに分け、紐解いていこうと思います。

徴兵制は「安上がり」では済まない経済的ワナ

徴兵制は、国民を強制的に招集するため、一見すると人件費を抑えられる安価な仕組みに思えるかもしれません。しかし、社会全体で見ると、実は多大な「隠れたコスト」が発生します。

まず、直接的なコストです。
軍隊の経験がない多数の若者を戦力にするためには、大規模な訓練施設や教育担当者が必要ですが、現在の自衛隊には、そのような大規模な徴兵を育て、管理できるリソースはありません。
制度を導入すれば、既存のプロフェッショナル部隊から貴重な人材や資源を割かざるを得ず、かえって全体の練度を低下させる本末転倒な事態を招きます。
また、兵士が戦闘で重傷を負ったり死亡したりした場合、国家は多額の補償金を支払う義務を負います。

さらに深刻なのが、社会的な機会費用です。
徴兵制は、個人の才能や適性に関わらず、若者を一律に軍務に就かせます。
これは、本来他の分野で社会に大きく貢献できたはずの人的リソースを、最適でない役割に強制的に配置することを意味し、国全体の経済的損失につながります。

例えば野球の大谷翔平選手を徴兵したりしたらどうでしょうか。
他の分野で輝ける才能があるにもかかわらず、それを潰すとなるともったいないでしょう。
大谷選手ほどではなくとも、他のことをさせた方がいい結果をもたらす人は大勢います。

人的リソースを最適化するという観点では、個人の自由な選択に基づいて軍隊を構成する志願制の方が、はるかに経済効率の高いモデルであると言えるのです。

<span class="bold">カムナ君</span>
カムナ君

一時期BTSの徴兵が話題になってたね

ハイテク戦争の時代、徴兵は「戦力」になりにくい

19世紀から20世紀にかけての世界大戦では、兵士の数が勝敗を分ける決定的な要因でした。
そのため、国民を大量動員できる徴兵制は極めて合理的な制度でした
しかし、現代の戦争の姿は、当時とは全く異なります。

現代の軍事装備は極めて高度化・複雑化しており、その運用には高い専門知識と長期間の訓練が不可欠です。
例えば、水上艦の対空ミサイルを発射するだけでも、

  • 「レーダーによる目標探知」
  • 「射撃管制レーダーの割り当て」
  • 「使用武器の選定」
  • 「発射タイミングの決定」

といった一連のプロセスを、複数の人間がチームワークで実行する必要があります。このような複雑な任務は、1~2年程度の経験しか持たない徴兵された兵士が担えるものではありません。

さらに、ハイテク兵器の操作だけでなく、基本的な集団行動ですら、相応の訓練がなければ不可能です。
数万人規模の人間を、単に移動させるのではなく、統制された「集団として」機能させることは、烏合の衆を軍隊へと変えるための本質であり、一朝一夕に身につくものではありません。

極端な話、100年前の戦闘機で現代の戦闘機を撃墜することは不可能ですが、100年前の軍隊であっても数が圧倒的に上回れば現代の軍隊を破ることは可能です。
この「質より量」が依然として通用する地上戦とは異なり、現代のハイテク戦争では、大規模な徴兵制軍隊よりも、高度に訓練された小規模なプロフェッショナル部隊の方がはるかに高い戦闘能力を発揮します。
軍事的な観点から見ても、旧来の徴兵制の有効性は低下しているのです。

日本に徴兵制が不要な最大の理由、それは「海」

専門家の分析によれば、現在の日本にとって徴兵制は必要ありません。
その最大の理由は、日本の地理的条件、すなわち「島国である」という事実にあります。

ロシアと国境を接するヨーロッパ諸国のように、仮想敵国と陸続きの国々は、常に大規模な地上侵攻のリスクに晒されています。
地上戦においては、兵器の質よりも兵士の数が勝敗を左右する場面が多く、「質より量がものを言う」世界です。
そのため、多くの兵員を確保できる徴兵制が防衛戦略上、重要な選択肢となります。

一方で、日本は四方を海に囲まれており、この海が天然の防壁として機能します。
敵国が日本に大規模な地上部隊を送り込むには、圧倒的な海上戦力を投入し、攻撃を受けやすい長大な補給線を維持し続けなければなりません

これは軍事的に極めて困難な作戦です。
この地理的特性により、日本の防衛の主軸は、敵の上陸を阻止するための高度な海上戦力と航空戦力となります。
そして、これらのハイテク部隊こそ、短期間で入れ替わる徴兵された兵士には最も不向きな分野なのです。

この日本の状況の特殊性を理解するには、台湾との比較が有効です。
台湾もまた、中国という強大な脅威に晒される島ですが、その戦略的現実は全く異なります。

中国の海上戦力は台湾のそれを圧倒的に凌駕しているため、台湾は海を十分な防壁として頼ることができません。
大規模な地上侵攻の可能性が極めて高く、それを迎え撃つためには大規模な陸上戦力が不可欠であり、そのために徴兵制が必要となるのです。
日本の海空自衛隊が敵の補給線を維持させない限り、徴兵が必要となるような大規模な地上戦が日本本土で発生する可能性は低いと言えます。

世界の潮流は「徴兵制の復活」と、「任意制」

世界の徴兵制をめぐる動きは、単純ではありません。
冷戦終結後、ヨーロッパでは緊張緩和を背景にフランスやドイツ、スウェーデンなどが相次いで徴兵制を廃止しました。これが一つの大きな流れでした。

しかし近年、その逆の動きが起きています。
2014年と2022年のロシアによるウクライナ侵攻を受け、安全保障環境の激変を目の当たりにしたヨーロッパ各国が、徴兵制を復活、または再検討し始めたのです。
スウェーデンやリトアニア、ラトビアなどがその代表例です。

ここで注目すべきは、復活した徴兵制の多くが、かつての「強制的で画一的な制度」とは全く異なる新しい形を取っている点です。
特に「スカンジナビア方式」と呼ばれるモデルが広がりを見せています。
スウェーデンやノルウェーでは、徴兵年齢に達した全国民に通知が送られますが、兵役に関心があるかを本人が回答できます。
初期の参加は個人の選択に基づきますが、一度兵役に就くことを選択すれば、それは法的な義務となり、召集に応じなければ罰せられます。
これは、単なる志願制とは異なる「同意に基づく義務」という新しい形です。

こうした制度の背景には、本人の意思を無視した強制的な兵役が、国家への信頼をむしろ低下させかねないという洞察があります。
ある研究では、一律の義務として兵役を経験した者ほど、公的制度への信頼度が低い傾向が示されました。

世界の徴兵制は単純な「あり/なし」の二元論ではなく、現代の安全保障上の課題に対応しつつ、旧来の制度が持っていた重い経済的・社会的コストを回避するための、より柔軟なモデルへと進化しているのです。

【まとめ】日本と徴兵制・現代における「国民の負担」とは何か

ここまで見てきたように、徴兵制は「安くて強い軍隊」を実現する魔法の制度ではありません。
むしろ、多大な経済的コストを伴い、現代のハイテク戦争には適応しづらい側面を持っています。また、その必要性は国の地理的条件に大きく左右され、島国である日本が直ちに導入する必要性は低いのではないでしょうか。

しかし、それは

  • 島国という恵まれた地理環境
  • 同盟国アメリカの強大な軍事力と核の傘
  • 日本が保有する自衛隊

という恵まれた環境に依存しているとも言えます。

特に、他国に軍事力を依存している場合には、その同盟国と外交問題になった場合、深刻な安全保障問題を引き起こすリスクになりえますし、
我が国の防衛力を担う自衛隊が、憲法の解釈一つによって違憲となりえる状況は、まさに脆弱性としか言えません。

こうした新たな視点によって、問題点や脆弱性の発見にも繋がるため、「議論することを禁止する」ことはもっとも愚かなことであると思います。

私は徴兵制には反対派ですが、徴兵制に関する議論は積極的に行われるべきであると思いますし、いつか日本に徴兵制がいる事態となれば、もちろん賛成派になります。

この記事を読むあなたは徴兵制に賛成ですか?反対ですか?
社会問題に対するスタンスを決めるには、膨大な知識と思考力が不可欠です。
この記事がその助けとなれば幸いです。

日本には、有事の際に自衛隊の戦力を補うための「予備自衛官等制度」という仕組みが既に存在します。
これは、普段は民間人として生活しながら、有事の際には招集に応じて任務に就く、志願制に基づいた制度です。

専門家は、この制度が十分に機能しているとは言えず、この既存の制度を強化することが現実的な課題だと指摘します。
具体的には、防衛省による予備自衛官の運用計画の具体化や、予備自衛官本人と雇用企業への経済的インセンティブの強化などが急務です。

絶えず変化する安全保障環境の中で、私たち一人ひとりが国防に果たすべき役割とは、そして本当に意味のある「負担」とは何でしょうか?

日本の将来を見据え、建設的な議論の機会が広がることを願いつつ締めたいと思います。

最後までご覧いただきありがとうございました。

参考になった、興味深かったと思ってくださった方は、ぜひ共有、拡散お願いします。

参考とさせていただいた情報源

Wikipedia
防衛白書
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yahoo!ニュース
コトバンク

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